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2011年2月

2011年2月16日 (水)

映画「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」

「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」 平山秀幸監督
2月13日(日) 鑑賞券にて1300円で鑑賞

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実は今作の関連本の編集をしたり、実際にサイパンまで取材に飛んだりした関係上、感想を書く以前にお腹いっぱいな状態。試写にも行きそびれたから、もう見なくてもいいかな〜と思ったりしていました。

でも、わざわざ劇場に足を運んだわけはやっぱりお客さんの入りを確認したかったから。ライバルは同じ東宝の「あしたのジョー」。どう考えても「あしたのジョー」の圧勝ですよね。でも、少しでも健闘していれば良いな〜と思いながら近所のシネコンに自転車で向かいました。

窓口で「太平洋の奇跡」と「あしたのジョー」を見ると告げると、「太平洋の奇跡」は直近の回は混んでいるので、空いている「あしたのジョー」を先に見て、「太平洋の奇跡」はその後の回を見たほうが良いとのこと。「へえ〜混んでるんだ」とちょっと嬉しかったです。

で、結論から言うと「あしたのジョー」は半分も客が入っていませんでした。その後に見た今作はギューギューの状態でしたね。客席にはお年を召した方々が多かったです。そういった年代をターゲットにして、派手さとは程遠い落ち着いたドラマを作るという「企画」が良かったんだと思います。

作品自体もまあまあだったんじゃないかな。

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映画「あしたのジョー」

「あしたのジョー」 曽利文彦監督
2月13日(日) 鑑賞券にて1300円で鑑賞

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オープニングの泪橋、ゼロメートル地帯のドヤ街がドーンと画面に広がって、あのテーマソングが流れる。うお!!っと、物凄く盛り上がったけれど、その後は、様々な違和感や疑問が頭の中を駆け巡って、最後までノレませんでした。

まずシナリオに違和感が。鑑別所内での力石とジョーとの関係が深く掘り下げられていないため、二人の因縁が伝わりません。ボクシングの試合で一度引き分けたという理由だけで、力石はあれほどの減量を行ったわけではないですよね。尺の問題があるのならば、これは後で触れますがジョーと力石の試合後の無駄な余韻をすっぱりカットして、こっちに時間をかけるべきでした。

今作での白木葉子はただのメッセンジャーです。メッセンジャーとしてしか機能していない役柄だというのに、原作にはない彼女の出自や、その出自ゆえにもたらされるある計画がシナリオに盛り込まれています。なんでこんなエピソードを挿入したんでしょう。この部分もすっぱりカット。そしてジョーと力石の因縁にあてるべきでした。

ジョーと力石の試合後の無駄な余韻も必要だとは思えませんでした。そしてこの無駄な余韻がやたらと長い。タンポポを使った今時めちゃくちゃ恥ずかしい演出は、なんだか僕のほうが気恥ずかしくなってしまいました。

そして演出にも疑問が。試合だけではないのです、大事なシーンはほとんどスローモーションで表現されているのです。あ、またスローになった、またスローだ、あれれまたスローモーションだぞ。このスローモーションが映画全体のリズムをアンバランスにしちゃったのかもしれません。

試合のシーンでも、くどいほどスローモーションが繰り出されますから、本来ならば躍動感たっぷのはずのボクシングシーンが、ちっとも血沸き肉踊ることがない味気ないものになっていました。先日見たイップマンの格闘シーンの躍動感。ロッキーシリーズの胸を打つ戦いの熱さ。ジョーと力石が戦ってそれが表現できないなんて信じられないですよね。どうしちゃったんでしょうか。

一方で演ずる役者さんたちは本当に良かった。香川照之も伊勢谷友介もその意気込みはスクリーンを通してビンビンに伝わってきました。役者さんがあんなに頑張ってるだけに本当に惜しいです。

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2011年2月14日 (月)

映画「イップ・マン 葉問」 

「イップ・マン 葉問」  ウィルソン・イップ監督
2月5日(土) 鑑賞券にて1300円で鑑賞

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面白かった!大興奮した!それ以外になかなか言葉出てこないので今回は短めに。

詳しいストーリーはオフィシャルサイトを参照してね。

見る予定はまったくなかったのですが、猫の3D映画を見に行った際に流れた予告編にしびれてしまい、これは駆けつけるしかないと即座に鑑賞券を購入しました。

ブルース・リー唯一の師匠であるイップ・マンの物語。面白かった。めちゃくちゃ盛り上がり大興奮しました。やはりどれだけ映像技術が発達した現代でも、生身の人間の肉体による表現には所詮かなわないということなのでしょう。本当に見て良かった。

主演はドニー・イェン。名前だけは聞き知っていましたが実際に主演映画を見るのは初めて。アクションのキレがとんでもない。今年は主演作が続々公開されるというので追いかけてみようかなと思っています。

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場内に木人が置かれていました。劇場はイップ・マンをめちゃくちゃ盛り立てています。入場者数が5000人を超えたら今作の前日譚になる「イップマン序章」を特別公開するんだそうです。

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2011年2月12日 (土)

映画「冷たい熱帯魚」

「冷たい熱帯魚」 園子温監督
2月9日(水) サービスデーのため1000円で鑑賞

立ち見でギューギューの映画館は久しぶりでした。でも僕はネット予約をしていたので座って鑑賞することができました。ネット予約できる劇場は大好きです。

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詳しいストーリーはオフィシャルサイトで確認してね。

でんでんが演じる村田は典型的な詐欺師であり、ごく普通の日常のなかに彼のような人間が現れれば、当然、嫌悪されてしかるべき存在です。彼の行動は言動からしていかがわしく、すべてが自己中心的です。しかし、村田のまわりには女が集まり、金の匂いを嗅ぎつけた男も集まる。それは村田が暴力もエロスも欲望も、そして父性までもを内包しているモンスターだからです。

こんな村田のような男をどこかで読んだことがあると記憶をたぐってみると、梁石日「血と骨」の主人公である父親が思い浮かびました。崔洋一監督によって映画化された際はビートたけしがその役を演じていました。そして、そこからさらに、モヤモヤとした記憶の糸をたぐっていくと、「閃いた」のです。

今作ででんでんが演じる村田は根本敬が描くところの「吉田佐吉」に違いないと!つまり今作は根本敬が描く特殊漫画の世界を映像化したものなのだと。そして吹越満が演じる社本は根本世界における「村田藤吉」と捉えるとすべてが繋がってしまうのです。そういえば小説「血と骨」を読んだ時も、これは「吉田佐吉」の物語だと納得した覚えがあります。

根本敬の作品世界については詳しく触れませんが、基本は一人のモンスターである「吉田佐吉」が、小心者の「村田藤吉」一家を徹底的に苦しめ続けるというものです。

熱帯魚屋がフーターズみたいになっていたり、女優二人のエロスの戦いがあったり楽しめる場面もありました。でも、表現の強烈さに見ているときはほとんど思考停止状態で上記のようなことは思い浮かべられず、ただただスクリーン上に繰り広げられる惨劇をぼや〜っと見つめているだけでした。でも、「でんでん」=「吉田佐吉」論を自分で閃いてしまったからには、もう一度、その視点で今作を見直すべきだと今は思っています。

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そうそう、その日はハプニングがあり、上映後にキャストである吹越満さん・でんでんさん・黒沢あすかさん・梶原ひかりさんがサプライズで舞台に登場し、お礼の言葉を述べてくれました。しかも通路に並んで観客をお見送りしてくれました。でんでんさんと握手した僕は、映画の余韻もありなんだか複雑な気分でしたよ。

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2011年2月 9日 (水)

映画「RED」

「RED」 ロベルト・シュヴェンケ監督
2月1日 映画ファーストデイのため1000円で鑑賞

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僕の業界でもそうなんだけど能力があって優秀なのに定年でリタイアしちゃったという大先輩が大勢います。僕の事務所はそんなリタイアした先輩たちに仕事をお願いすることが多いのですが、本当にビックリするほど「早い、正確、丁寧」な仕事振りなんですね。ただ考え方や企画に関する完成なんかは少し古い印象はありますけれど、実務に関しては文句のつけようがないほど現役なんです。

そして今作「RED」。タイトルは「Retired Extremely Dangerous」(引退した超危険人物)の略。字幕では「引退した超危険な年金受給者」になっていました。こういう超訳は笑えて最高です。そして内容も、まさにリタイヤしたけど力は有り余っているオジさんオバさんたちが大暴れするのです。

詳しいストーリーはオフィシャルサイトを参考にしてね。

馬鹿馬鹿しいほどの火薬の量と銃弾の量。基本はコメディタッチで、ラブロマンスだって盛り込んであります。監督は「フライトプラン」の人なのか。あの映画はいまいちだったけど今作は最高!文句なし。シナリオはご都合主義に感じるかもしれないけど「エクスペンダブルズ」ほど無理矢理感はないです。物語の中心人物はちゃんと怪我をするし、撃たれて死ぬ主要メンバーもいます。それにしても面白かったなあ。

やっぱり、あんまり馬鹿にしないで、こういったプログラムピクチャーというかハリウッドのコメディ&アクション映画も見たほうが人生は豊かになりますね。若い頃だったら馬鹿にしてなかなか食指が動かなかったタイプの作品です。手に汗握って笑ってスカっとした作品でした。

そうそう嬉しかったのはあのアーネスト・ボーグナインの元気な姿を拝めたこと。まったく予期せずにあの顔が、しかも、アップで「ズン!」と現れました。監督わかってる〜〜と心の中でガッツポーズしましたよ。

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2011年2月 8日 (火)

映画「白夜行」

「白夜行」 深川栄洋監督
1月29日(土) 映画レビューサイト「COCO」さんから頂いた鑑賞券で鑑賞。

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去年の12月に出た「ロマンチスト~THE STALIN・遠藤ミチロウTribute Album~」を未だにたまに聞いています。いわゆるトリビュートアルバムで、スターリンやミチロウのソロの曲を様々なアーチストがカバーするというもの。大胆なアレンジを加えた曲もあれば、ほぼオリジナル通りという曲もあったりトリビュートアルバムならではのバラエティ感が味わえます。なかでも一番のお気に入りはフラワーカンパニーズ の「GO GO スターリン」 で、ほぼオリジナル通りのアレンジ。それはとっても潔いし、自分たちのバンドの本質にも忠実ですもんね。

小説を映画化するというのはロックのトリビュートアルバムのように、原作を監督自身のアイデアでカバーするようなものです。それには幾通りもの解釈やアレンジの仕方があってしかるべきだし、時には原作にないものを登場させてマッシュアップさせたって良いと思う。そして、それらが作品の出来の善し悪しにストレートに反映されるのはロックだって映画だって一緒。

僕は今作の原作を読んではいないんだけども、見事につまらない映画だったから、上記のように監督がアレンジや解釈を間違っちゃったのかな?と予想しました。それを前提で書いていくけれど、作品全体を覆っている無機質で乾いた雰囲気は原作にもあるのでしょうか。あるのだったらそれは原作世界の雰囲気を再現するという意味では成功しています。でも、それは逆に見ている僕にはただ不機嫌な人間がそこにいる、なんとも居心地の悪い時間に、2時間以上、無理矢理付き合わされているだけと受け止めてしまいました。それで正解?それならごめんなさい。

原作の雰囲気をぶち壊すことはできなかったのかな。女を愛する、女を守り続ける、その観念の表現は「乾き」ではないような気がします。僕はせめて男側だけでもジメジメとした情感で表現しても良かったんじゃないかなと思う。そうすればもっとエロティックになっただろうし、エロの要素が入ることで乾いた作品世界に別の彩りが出たんじゃないかな。でもふと思うと結局今作はミステリーなわけだから2人の間に絆があったなどという表現はできないのか。そうなるともう、映画を企画した時点でつまらない作品になるのは決定していたということか〜。

そうそう船越英一郎の、あのラストの台詞にはびっくりしちゃいました。そのための伏線はもちろんあったんだけど、弱いよね。なんだなんだこのおっさんは、突然何を言い出すんだと目が点。

それからトリックについて。「ぼくのエリ 200歳の少女」や「相棒II」と同じトリックを使っているんだけど、これは原作にはなくて今作オリジナルなんだってね。微妙な今更感があるマッシュアップでした。

しかし映画で原作を越えるのって本当に難しいんだね。あ、でもロックでも映画でも原曲や原作を越えてるのは稀ですよね。僕だってミチロウのトリビュートアルバムで一番のお気に入りが原曲に忠実なフラカンのカバーなんだもん。

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2011年2月 1日 (火)

映画「ねこばん3D とび出すにゃんこ」

「ねこばん3D とび出すにゃんこ」 有馬顕監督
1月25日(金) シネマート新宿で鑑賞

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猫好きの僕としては駆けつけざるを得なかった作品。映画としてはどうってことない作品ですが、やはり目尻は下がりっぱなし。

3D効果は期待したほどではありませんでした。猫くんよりもランニングにステテコ姿の伊武雅刀さんの方が飛び出してましたよ(笑)

猫くんたちがだいぶカメラを警戒しているみたいに感じちゃったのですが、しょうがないか。動物だし。こういう作品にあれこれ文句をつけてもしようがないっすよね。猫大好き!

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映画「天国と地獄」

「天国と地獄」 黒澤明
1月22日(土) 東京芸術センター・シネマブルースタジオで鑑賞

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何度かテレビではみたことがある作品ですが、いくらテレビが大型になったとはいえ、やっぱりDVDで見る映画と、こうやって大スクリーンで見る映画は別物だということがよく分かりました。三船敏郎演じる権藤の人間力の大きは大スクリーンにドーンとアップで示されるとより印象深く感じられました。

見所というか印象に残るシーンはたくさんあるんですが、まずは身代金のやりとりをする列車のシークエンス。メチャクチャ面白かった。それから山崎努がほとんどスラムと化している黄金町を彷徨うシーン。街は間違いなくセットだと思うんですが、白と黒のコントラストがまるでホラー映画を見ているような感じで、ドキドキして仕方がなかったです。

ラストが良かった。昔の映画はエンドロールがないので「終」という文字が出て終わり。これがなるべく突然、唐突に現れるととても良い余韻を残すんですよ。今作もシャッターがガラガラと閉じて、その瞬間に「終」の文字。突然終わるのに余韻はしっかり残っているという不思議。今の映画は永遠とエンドロールが5〜6分流れますから、こういう唐突に終わるという効果は演出上ちょっと難しいんでしょうね。

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