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2010年11月

2010年11月18日 (木)

映画「ラストソルジャー」

「ラストソルジャー」 ジャッキー・チェン監督
11月13日(土) シネコンの開館3周年記念のため1000円で鑑賞

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詳しいストーリーなんかは公式サイトを見てね。

物語が進んでいくにつれてお互いを認め合うという、バディ物のロードムービーの王道をしっかり踏襲していて安心して楽しめました。本当に面白かった。

実はアクションシーンが少ないなんて感想をちらほら聞いていたので、ちょっと心配していました。でもそんなの杞憂でしたよ。確かに若かりし頃の全編アクションで埋め尽くされた作品と比べると少なかったけれど、今のジャッキーはとっくにアクションだけで見せる俳優さんじゃなくなってるわけですもんね。

エンドクレジットはいつものようにNG集なんですが、それを見ると相変わらずジャッキーは身体を張って撮影に臨んでいるのがわかります。年を取ったからアクションを避けてるなんて嘘ですよ。

そして今までのジャッキーの映画ではあり得ないラストシーン。物語の決着をつける、そして今作のタイトルである「ラストソルジャー」の意味が理解できるあのシーンはメチャクチャ格好良かった。これからもジャッキーの映画を見たいし、見続けると心のなかでぐっと誓ったラストシーンでした。

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2010年11月15日 (月)

映画「森崎書店の日々」

「森崎書店の日々」 日向朝子監督
11月3日(水)文化の日 サービスデーだったので1000円で鑑賞。

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「シングルマン」と同日にまったく同じ劇場で見ました。「シングルマン」は結局、「出来すぎの映画作品であまり話すことがない」という感想で終わってしまったのですが、逆に今作は欠点ばかりが目立ってるんだけど嫌いになれない、イヤ逆に欠点さえも愛情に変わる大好きな作品と自分では受け止めました。映画の完成度って僕の場合好き嫌いにまったく反映されないんだな〜と改めて気づかせてくれた作品でもあります。

ストーリーは単純。失恋して会社をやめた主人公の女の子が、叔父さんが経営している神保町の古書店で店番をやりながら、失恋を克服して旅立つという話。超シンプル。

神保町は学生の頃からよく訪れていた場所で、現在取引のある出版社が古書店街のど真ん中にあったりするのと、今の職場が神田にあるので、ランチがてらぶらぶら散歩するのに絶好の距離ということで今だに週1以上の感覚で足を向けているのです。だから今作の舞台になった古書店の位置もすぐに頭に浮かんだし、街並みのシーンなんかだと自分が写ってるんじゃないかと探しちゃったりしました。

以下ネタバレです。

とはいえ今作で神保町の魅力が全部描かれているかといえばそうでもありません。神保町が舞台で、主人公が町に溶け込んで行くという話なのに、ほとんど神保町で飲み食いしないのです。たい焼きと喫茶店でのコーヒーとケーキくらい。神保町には美味しい洋食屋さんや直枝さん(exカーネーション)が行くカレー屋さんもあるし、それこそ天ぷらのいも屋だってあるし、お酒を飲むところもたくさんあるのにね。神保町の魅力を知る人間からすると、古書店街以外にも魅力があるという所を描いてほしかったな。

もう一つ欠点を指摘させてもらうとクライマックスに2度ある長回し。その一度目の長回しなんですが、途中で切って繋げちゃうっていうのは、たぶん主演の女優さんがなかなか泣けなくて、尺が長くなっちゃったかったからだと思うんだけど、そりゃないな〜と思いました。それから、噛んだ台詞のカットをそのまま使っているのにはなんか意図があるんだろうか。

やけに物分りの良い叔父さん役に内藤剛志さん。物分りが良すぎてなんだか物足りない役柄だと思っていたらクライマックスでとんでもない行動にでます。

そのクライマックスに登場する今時の青年の描き方が、映画「悪人」で岡田将生が演じた青年像とダブります。と同時にその青年に立ち向かって行く内藤剛志さんも「悪人」の柄本明さんにダブります。今のダメな若者像のトレンドがこれってことなのかな。大人はいつでも若者が嫌い、いや若さに嫉妬しちゃうのかな。

喫茶店のマスター役で、きたろうさんが出演していてとても嬉しかった。きたろうさんは、僕にとって現代の妖精さん俳優。出てくるだけでニヤニヤしちゃう。昭和の妖精さん俳優はもちろん左卜全さん。

そして、きたろうさんマスターの喫茶店のウエイトレス役が田中麗奈さん。主役の人の演技が今ひとつギコチナイので、田中麗奈さん登場した瞬間画面が生き生きとしてくるんだから凄い。天性の女優さんだと思いました。

欠点ばっかり上げたけれども、なんだか嫌いになれない。上記の理由で人にもなかなかお勧めできないんだけど、なんだか心に引っかかってしまう作品。今じゃ主演の女優さんのぎこちない演技も、台詞を噛んだショットをそのまま使っているのも、なんだか愛せちゃうんだよね。舞台が神保町だからなんだろうな。

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先日神保町に行ったら案の定思ったとおりの場所に森崎書店のロケ地ありました(笑)

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映画「シングルマン」

「シングルマン」 トム・フォード監督
11月3日(水)文化の日 サービスデーのため1000円で鑑賞

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うーん、困った。世間では評判が良い作品。でもなぜだか、僕の心にはまったく何も残らなかったのです。なんでだろう、どうしてだろう。ず〜っと考えているのですが答えが出ません。面白くなかったわけではないのです。初監督作品とは思えないほど、隅々まで計算された演出と映像表現になるほどなるほどと頷きながら見ていたことは確かなんです。なんでだろう。

当日のツイッターの発言を見つけたので引用してみると

「今日はもう一本『シングルマン』という映画も見ました。こっちは出来すぎの映画であまり話すことがないっす」

あはは。見た直後の正直な感想。つまりそういうことだったのかな。自分の心に正直に宣言(笑)

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映画「ブロンド少女は過激に美しく」

「ブロンド少女は過激に美しく」 マノエル・デ・オリベイラ監督
11月1日(月) 映画ファーストデーのため1000円にて鑑賞。

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叔父さんが経営する洋品店の経理係に雇われた主人公は、仕事部屋の窓から見える向かいの家の少女に恋をしてしまいます。なんとか出会いをセッティングをしてもらい結婚を誓い合いますが、叔父さんは結婚に反対するのです。叔父さんは反対を押し切って結婚を強行しようとする主人公をクビにしてしまいます。一念発起した主人公はアフリカに渡り一財産築いて帰国。改めて結婚の許しを得るのですが、実はね〜〜というストーリー。

すべて見終わって、なるほど、そういう物語だったんだ〜というのを楽しむ作品。物語を反芻すればするほどニヤニヤしてしまう所々に散りばめられた伏線。100歳の老人監督に「してやられた」感じがとても嬉しいのです。

以下ネタバレありです。

でもって叔父さんがこの少女との結婚を反対した理由を反芻していくのがこの映画の楽しみ方の一つ。そういえばハンカチが盗まれるし、カードゲームのチップが不思議なことに消えてしまうし。500日のサマーも同じで、恋をしちゃうと世界がぜ〜〜んぶミュージカルで、お花畑ルンルンルン。その人の本質を見ようとせず自分の主観だけで燃え上がっちゃうのです。主人公の後任の会計士は向かいの窓のブロンド少女に見向きもしないで仕事に没頭できちゃうわけですしね。叔父さんは年の功で少女の本質を見抜いていたということも想像出来ます。

そうそう、主人公が恋するブロンド少女が僕にはまったくエロく見えなくて、なんでだろうと考えてみるに、エロの小道具が「扇」だってことに行き着きました。つまりロリータ風なエロをかもし出すのに扇がアイテムになってるのです。羽がついたジュリ扇とはちょっと違うけどそんな扇。それがエロを表現すると。そんなバカな(笑)普通ロリポップですよね。チュッパチャップスですよね。だから100歳の映画なんですよ。本当オリベイラ監督、素敵過ぎました。

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映画「素晴らしき日曜日」

「素晴らしき日曜日」 黒澤明監督
10月24日(日)  東京芸術センター・シネマブルースタジオにて鑑賞

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終戦からまだ2年ほどしか経っていない1947年(昭和22年)の作品。2人合わせて35円しか持たない恋人たちのある日曜日の風景を描いています。

男は女に現在の自分の境遇がいかに不幸なのかを愚痴り、女はそんな男を励ましながら、きっと未来は明るいと説きますが、実際に2人が遭遇する現実は辛いものばかりです。

この作品で描かれるのは昭和22年のリアルな日本、そして東京です。この時点での日本は戦争に打ちのめされて貧困が当たり前です。闇商売などのずる賢さで儲けた長者と一般市民の間には猛烈な貧富の差があり、それは市井を生きる人たちの気持ちを歪めています。そんな人間性の欠如から起こる災難が恋人たちに容赦なく降り注ぎます。

リアルな昭和22年ですから主人公のカップルも、監督の黒澤でさえも、その後の日本が歩む道を知る由もありません。貧しさがいつまで続くのかもわかりませんし、当時はまだアメリカによる占領国だったわけですから、日本が再独立できるかどうかも未知数です。そして、スクリーンに映し出されるのは焼け跡だらけの東京です。

そんな時代背景を踏まえて本作を見ていると、彼らの貧困に対する嘆きはめちゃくちゃリアルだということがわかります。グズグズと愚痴を言い続けるのだって許さざるを得ないと思えてきます。

でも僕たちは知っています。日本は立ち直ります。朝鮮戦争の特需で産業は発達し、その後の高度経済成長期を経てGDPで世界2位に躍り出たりします。それを知っているからこそ、この映画の恋人たちには負けてほしくない。恋人たちにずる賢い人間だけが成功する世の中を受け入れることをしてほしくない。そんな風に思いながら見ていました。

黒澤監督は最後の最後にヒロインに「貧しい恋人たちが美しい夢が描けるように励ましてください」と言わせ、そして観客に拍手を求めます。未来を知っている現代の観客からなら拍手も起きましょうが、リアルな昭和22年に拍手は起きないでしょうし実際に起きなかったといいます。でも黒澤監督がここで示した「貧しい恋人たちが美しい夢が描けるように励ましてください」という気持ちは僕には十分過ぎるくらい伝わりました。

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2010年11月14日 (日)

映画「十三人の刺客」

「十三人の刺客」 三池崇史監督
10月24日(日)観賞券にて1300円で観賞

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僕が初めて三池監督の映画を見たのは1996年の「極道戦国志 不動」だった。けれん味たっぷりのバイオレンス描写にかけるエネルギーの力強さは、当時香港映画にハマっていた僕を邦画に引き戻させるには十分だった。

以後、三池監督の映画は追いかけてきたけれども、メジャーで撮るようになったここ4〜5年の作品は正直手放しで褒められない作品が多かった。前作のゼブラーマン2しかり、ヤッターマンしかり、収束できなくなった物語の結末をギャグに逃げたりする作品はもう苛立ちしか覚えなかった(それは脚本も問題なんだろうけど)。

そして今作です。本当に素晴らしかった。
天願大介さんが脚本だったのが良かったんだと思う。三池監督は脚本家を選んだ方が良い。けれんたっぷりのクドカンなんかとはもう組まない方が良い。監督自身がけれん味大好きなわけだから、けれんにけれんが重なりあうと収拾がつかなくなってしまう。

昔からの三池ファンは打ち落された首をサッカーボールのように蹴る描写にニヤリ。前半の伏線も含めて含み笑いしたことでしょう。「極道戦国志 不動」では小学生が蹴ってたもんね。

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