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2010年10月14日 (木)

映画「ミックマック」

映画「ミックマック」  ジャン=ピエール・ジュネ監督
9月28日(火) 800円で買った招待券で鑑賞

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詳しいストーリーは公式サイトを参照してね。

向かい合って建っている2つの軍需産業の会社を、主人公とその仲間たちが間に入っていがみ合いをさせて、そのせいで最後はどちらも崩壊させてしまうという、黒澤明の用心棒のような物語。その理由は自分と死んだ父に対する復讐で、その復讐作戦の過程が面白おかしく描かれます。でも、なんだか僕は上手く話の流れに乗れずに、正直退屈を感じてしまいました。タイトルの「ミックマック」は「いたずら」という意味で、そのいたずらの数々が僕には子供っぽ過ぎたかな。

今まで一人ぼっちで生きてきた主人公に仲間ができた。そして擬似家族ではあるけれど、一緒に生活をするようになって、それが嬉しくて、子供のように復讐作戦を遊んでると考えると、子供っぽい「いたずら」も分からないでもないです。でもまあ度を越したいたずらではあるけれども。

主人公も含めて共同体の人々は異形の人ばかりで面白い。以前、黒澤明の「どん底」を最映画化しようにも、今の日本にはあんな異形な俳優たちはいないから映画化は無理だと書きましたが、フランスにはいましたね。今作の主人公と7人の仲間の異形さは「どん底」の長屋の住民のようでした。もちろん見た目だけですけど。

僕が好きなのは前半の仲間と出会うまでのシークエンスです。映画はビデオ屋に勤めている主人公がテレビでハワード・ホークスの「三つ数えろ」を見ているところから始まります。面白いのはボギーがフランス語を話しているんですよ。余談ですが昔見た「リトルロマンス」でも主人公の男の子がパリの映画館で「明日に向かって撃て」を見ているんですが、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードはフランス語を話していました。フランスのアメリカ映画は吹き替えが普通なんだなと再認識しました。

そしてビデオを見ている主人公に流れ弾が当たってタイトルクレジットになるのですが、これがいわゆる擬似夜景、アメリカの夜のような風景なんです。冒頭のボギーといい、このアメリカの夜といい、なるほど昔懐かしいハリウッド映画へオマージュを捧げている映画なんだと僕はひとりごちました。

本編が始まり、一文無しになった主人公はホームレスになって、パントマイムで生計を立てています。穴の開いた靴下と馬鹿になった靴。寝るときの毛布替わりのダンボール。ダンボールの丈が短いから顔の方に引き上げると下半身が寒くなる、だから足の方にダンボールを送ると今度は上半身が寒くなる。チャップリンみたいですよね。なるほどやっぱり古きアメリカ映画に対してなにかある映画なんだなと僕は改めて思ったんですが、実は、ここから先、そんなことは何も無い(笑)なんだったんだろう。

「デリカテッセン」や「アメリ」を撮った監督の作品ですから相変わらず映像は凝りまくり、美術に関しても監督の世界観の再現にまったく妥協はありませんでした。そういう意味では嫌いな映画ではありません。

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