« 映画「悪人」 | トップページ | 映画「ヒックとドラゴン」2回目 »

2010年9月15日 (水)

映画「カラフル」

「カラフル」 原恵一監督
9月10日(金) 鑑賞券にて1300円で鑑賞

Dscn0424

死んでしまった少年が抽選に当たったために、もう一度外界に戻って生き直すチャンスをもらう。そして自殺したばかりの中3男子の体に入り込むことになるが、生き直すためには自分の犯した罪を思い出さなきゃならないというのが、物語の始まり。

詳しいストーリーは公式サイトを参照してね

自殺、イジメ、援助交際、不倫、進路問題、家族の不和など確かに描かれるのは見事に伊集院光がラジオで言っていたとおり「中学生日記」の世界でした。

結局、思春期特有のコミュニケーション不全の話で、まあ、15歳というのはそういう時期でありますし、一つの絶望や一つの悲しみが世界の終わりに感じてしまうのもわかります。イジメという要素はあったにせよ、そういうものは本来なら年を重ねていくごとに解決していくものなんですよね。

というか無人島で生きている人でない限り、人間の行動はすべて他者との関わり合いでしか成立しないわけです。僕たちはその関わり合いを通じて悲しみを経験し、喜びを得て、絶望感に呆然としながらも成長していくわけです。

今作の主人公は15歳の小林真として生き直すことによって、人と人の関わり合いの多様性に気付くんですね。そして自分と他者の立場を置き換えることによって、眼に見える世界が幾重にも変化することを理解するのです。これがタイトルの「カラフル」の意味なんでしょうね。

やっとできた友達、早乙女くんと巡る玉電のシークエンスは珍しく久しぶりに日本映画で良い風景を見ました。僕が最近見た日本映画に映し出される風景は郊外の孤独ばかりだったので、アニメとはいえ楽しい気分に浸れました。

早乙女くん関連のエピソードは全て良かった。美術部のメガネっ子との交流も良かった。援交女子のあっけらかんぶりも好感が持てた。だけど、他の部分、特に家族に関する描き方は全部嫌いです。

原作があるからしょうがないんでしょうが、父親の描き方も嫌いだし、母親をとことんイジメ尽くすシナリオも大嫌い。シナリオ的に母親をイジメればイジメるほど最後にパンチが効くのは理解しているんですけどね。

特に嫌なのが食事や料理を通して母親への嫌悪感を表現するというところ。実際、これぞ思春期!という感じで効果的に描けていたし、ここを褒める人もいるんだけど、僕にとって料理をするシーンや食事をするシーンは映画を見る上で聖域なわけで、ここを汚されるとそれだけでNGなんですよ。

「かもめ食堂」という気持ち悪い映画がありましたが、気持ち悪さを差し引いても僕にとって大傑作になるのは料理と食事という僕にとっての聖域を美しく描いてくれたからなんです。そんなわけでテーマやドラマ的な部分の素晴らしさを評価しつつも、僕はこの映画をまったく支持できないのでありました。映画の見方は人それぞれなんですよね。

|

« 映画「悪人」 | トップページ | 映画「ヒックとドラゴン」2回目 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3282/49455865

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「カラフル」:

« 映画「悪人」 | トップページ | 映画「ヒックとドラゴン」2回目 »