« 映画「トイ・ストーリー3」 | トップページ | 週末の料理 »

2010年7月19日 (月)

映画「必死剣鳥刺し」

「必死剣鳥刺し」平山秀幸監督
7月19日(月)海の日
TOHOシネマズのポイントがたまったので無料で鑑賞

Dscn0376

藤沢周平は山本周五郎と池波正太郎と並んで僕の好きな作家です。だからもちろん原作は読んでいました。でも相当昔に読んだために結末以外はうろ覚えでした。

過去と現在を行き来しつつ、タイトルになっている「必死剣鳥刺し」が繰り出されるところがクライマックス。そこに至るまのでの描写は淡々とむしろゆっくり過ぎるくらのテンポで描かれます。

1年間の閉門になった主人公が過ごす時の流れを、四季の移り変わりで表現したのはさすがです。時間をかけてじっくり撮っていることが分かります。

そして吉川晃司と豊悦の殺陣シーンです。2人のデカイ男が江戸時代の狭い畳と襖の部屋で斬り合う様は迫力があって見応えがありました。やはり役者にとって身長というのは武器になりますね。

ここから超ネタバレです。

原作を読んでいた僕は「必死剣鳥刺し」がどんな秘剣なのかを知っていました。はっきり言ってしまうと「必死剣鳥刺し」というのは死んだ振りの剣なのです。最後の一太刀分の命だけを残しながら、致命傷にならない程度の敵の攻撃をわざわざ自ら受ける。そして死んだと思って近づいてきた敵を残った最後の力で斬る。つまり使ったら最後自分も死ぬことになる剣なんですね。

見ていて映画でこれを表現するのは本当に難しいことだと思いました。敵に囲まれた豊悦は何度も何度も斬られます。でも死なない。それは最後の一太刀分の力を残しておくために、敵の剣をわざと浅く受けてるからです。でも、映画ではそれを説明できない。長い長い殺陣シーンでもそれは明確には表現できていなかったように思えます。

昔あったアニメなんかの
「説明しよう!必死剣鳥刺しとは自ら敵の刃を受ける剣なのである」
なんてナレーションなんかを入れられるべくもない。

となると観客は散々斬られまくっているのにまだ生きている豊悦を見て「豊悦はどんだけ不死身なんだよ(笑)」となってしまう。さらにいえば死んだふりからの一撃のショッキングさこそが今作最大のカタルシスだから、事前に秘剣の説明ができるわけもないのです。

もう一つヒロインの池脇千鶴ちゃんは、難しい役柄をとても頑張って演じていたんですが、あまりに童顔過ぎていて、僕には子供にしか見えなかった。だから豊悦とのラブシーンなんかも見ていて落ち着かなかった。

ここもネタバレですがラストの赤ん坊を抱いている彼女の姿も、母親というより、妹の子守をしているお姉ちゃんにしか見えなかった。ちょっとミスキャストでしたね。

とはいえ作り手側の真摯さが伝わってくるとても良質な時代劇でした。少なくとも同じ藤沢周平作品を原作とした山田洋次監督の3本よりは僕は好きです。

|

« 映画「トイ・ストーリー3」 | トップページ | 週末の料理 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3282/48916953

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「必死剣鳥刺し」:

« 映画「トイ・ストーリー3」 | トップページ | 週末の料理 »