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2010年7月 5日 (月)

映画「闇の列車、光の旅」

「闇の列車、光の旅」キャリー・ジョージ・フクナガ監督

7月1日サービスデーだったので1000円で鑑賞

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ホンジュラスからアメリカのニュージャージーを目指す少女と家族。目指すといってもそれは非合法な旅です。メキシコに入ってからは貨物列車の屋根に乗ってアメリカ国境を目指すというのだから驚きです。もちろん、そんな旅ですから成功率は当然のように低い。

そしてもう一人、メキシコの過激なギャング団に入っている少年がいます。少年はある理由から組織から追われることになり、少女らと共に列車の屋根に乗って国境を目指します。

貨物列車の屋根に乗って国境を目指すというモチーフだけでも、映画としては十分成立すると思うのです。しかし、今作はそれに加えて逃げる少年、追うギャング団というもう一つのストーリーラインが加えられており、より映画を楽しめるものとしていました。

この映画には上記のように二つのストーリーラインがあるのですが、それぞれがとてもリアルな現実をテーマにしています。すなわち一つは南米の貧困問題、アメリカにおける移民問題。もう一つはマラ・サルバトルチャとかMS-13などと呼ばれるギャング集団についてです。ギャング集団の成り立ちも貧困と移民問題が根本にありますから、二つのテーマはクロスしやすいわけです。

これは後から調べてわかったことですが、少年がかつて所属しそして追われることになるギャング集団は世界でもっとも凶暴だといわれている集団なのです。今作でもそのギャングたちの生態が描かれています。それは本当にバカバカしいほどの暴力性で、僕はフィクションであってほしいと思ったほどです。しかし、悲しいことに実際にはすべてはリアルな現実でした。

ギャングの通称「MS-13」で検索してみると出るわ出るわです。顔にまで刺青をしているギャングの写真を実際に見ると空恐ろしくなります。まったく自分の無知が恥ずかしいですが、映画で自分の知らない現実を知るというのは悪いことではないですよね。

そんなわけで少女と少年は心を通じ合わせながら、ギャングに追われながら国境を目指します。二人は途中で列車から降りることになるのですが、その時の少女の決意を込めた表情が溜まらなく良かった。ほぼすべてロケ撮影であろうカメラが切り取る南米の風景も良かった。列車の屋根の撮影は相当大変だったんだろうな。そして主人公2人も最高の演技でした。

やはり良い映画はきちんとテーマに向き合って、しっかりと観客の心にクサビを打ち込みます。デビュー作でそれをやってのけたキャリー・ジョージ・フクナガ監督は素晴らしいです。

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