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2010年6月

2010年6月26日 (土)

映画「ヒーローショー」

「ヒーローショー」井筒和幸監督

6月23日(水)、サービスデーだったために1000円で鑑賞。男なのに1000円、偶然だったからとても嬉しい。

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今回は感想がうまく書けなかった。ごめんなさいです。思い入れが強くなると書けないものですね。

本当に馬鹿馬鹿しい理由からリンチ殺人を犯すまでに至る前半と、ジャルジャルの2人によるロードムービー的な展開になる後半。僕はこの後半に痺れてしまいました。

喧伝されているように前半のバイオレンスシーンは強烈でした。そしてそこに至る過程も恐ろしくリアルに描かれていました。でも、無責任で身勝手な若者のリアルな日常なんて映画は遥か昔から山のように作られてきたわけで、井筒監督なら面白く撮れて当たり前です。

だからジャルジャルの2人のねじれたバディ関係を描く後半がたまらなく良かった。勝浦から鴨川シーワールドへ、ロードムービーに欠かせない車はだいぶくたびれた日産シルビア。若者の孤独を際立たせる舞台設定にこれ以上ふさわしいものはないのです。

そんな千葉県の風景に浮かび上がるジャルジャルの2人は本当に愛しくなるほど悲しい存在です。どちらも呻き声を出したくなるほどの現実を背負っている上に、殺人の後始末までのしかかってくるんです。

映画の後半に井筒監督はそんなイッパイッパイな状態の2人をごく普通に流れている日常へ放り投げます。サラ金、葬式会場。イルカショーの水族館のシークエンスなんて数時間前の殺人がなかったことのように描かれます。でも、それが日常なんです。人を殺したって時は流れていく。心えぐられましたた。井筒監督もイーストウッド並に容赦無いと思いました。

ジャルジャルを含めて出ているすべての役者が適役でした。鬼丸兄弟というキャラがまた面白くて、本当にあんな若者いるよね。よく見つけてきたと思いました。

青春映画は数あるけれど僕はこんな青春映画が見たかったんです。年に何本も映画を見ていますが、こういう心をえぐられる作品に出会えるから映画を見続けるんだろうな。

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2010年6月21日 (月)

映画「アウトレイジ」

アウトレイジ」北野武監督
6月20日、MOVIXデーだったので1000円で鑑賞

(以下、ストーリーの本筋とは関係ないので読んでも大丈夫ですが、若干のネタバレがあります)

細長いテーブルでヤクザの親分たちが横並びで食事をしています。この構図はダビンチ「最後の晩餐」のメタファーですね。ザワザワとした雰囲気の中、カメラは國村隼をフォーカス。

はい、國村さん、あなたが「ユダ」ですね。

という素晴らしいオープニングで始まる「アウトレイジ」。

ネタバレではないから書きますが、見終わってみると國村さんがユダだったわけではなくて、出てくるヤクザ全員が裏切り者。つまりあの「最後の晩餐」の出席者全員がユダだったわけです。

裏切り、裏切られ、殺し、殺されの連鎖で物語は進行していきます。喧伝されているとおり暴力・バイオレンスシーンが山盛りなんですが、バイオレンスも度が過ぎると笑いになるという面白い現象が全編を通じて起きています。

たとえばラーメン屋の親父の指を包丁でスパーンって叩き切ると、切れた指が飛んでタンメンの器にポチャ。それをそのまま客に出しちゃうとか。殺し方とか痛めつけのバリエーションを見ているだけで楽しい……というと不謹慎かな。

そんなバイオレンスシーンばかりの映画なんですが、北野監督が切り取る風景は相変わらず美しいのです。たぶんどのシーンを切り取って見ても、その1カット1カットは間違いなく「アウトレイジ」という写真集の1ページになると思います。

終盤の海岸沿いに真っ直ぐ続く道を二人のヒットマンがとぼとぼと歩いているカットなんて、直前にあんな残酷なことをしているというのに清々しいたらありゃしません。ショッキングなシーンの後の一服の清涼剤という監督の観客に対する配慮なんでしょうけど、笑っちゃうよな〜。

というわけでとっても大満足な北野武監督の新作でした。

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2010年6月20日 (日)

「アイアンマン2」

アイアンマン2
6月20日、MOVIXデーのため1000円で鑑賞

見ている間は本当に楽しくて、やっぱりアイアンマン最高!ってな感じでとっても面白く見ることができました。だけど、感想を書くために映画を振り返ってみると、付けたい文句の萌芽がたくさん生じてくるんですよね。これってどんな映画にも大概あるんだけど、でも、今作は本当に気分良く見られたからそんなことは無視しちゃいます。かわりになぜ僕がアイアンマンシリーズに惹かれるのかを書いてみようと思います。

その理由は、ロバート・ダウニー・Jr 演じるトニー・スタークが新しいガジェットを自作するシーンに「胸が踊っちゃう」に尽きます。それもすべて一人で作ってしまう。作る過程も結構細かく描写されているし、完成したガジェットも惚れ惚れするほど美しい。

そしてこれが「胸が踊っちゃう」最大の理由なんですが、つまり自宅のガレージでアレコレ作業している感じが伝わってくるんです。実際アイアンマンシリーズの研究室には車が駐車していますし、イメージは紛れもなくガレージなんですよね。

様々なアメリカ映画で描かれるガレージというのは男の居場所的なイメージがありますし、実際そうなんでしょう。イーストウッドの「グラン・トリノ」。あの爺さんの家のガレージ。道具が整然と整理されていて、長年集めた工具で何でも自分で修理しちゃう。思い出の品物なんかも箱に放り込んであったりして。まさに男の居場所。

「グラン・トリノ」の中でモン族の少年がイーストウッドのガレージを見て、自分にはこんな工具は集められないと感嘆します。するとイーストウッドは「少しずつ集めてこうなった」とかなんとか言うんですよ。僕が男だからなのかは分かりませんが「グラン・トリノ」を見て、アメリカのガレージ文化に憧れていた自分に気付かされました。

グラン・トリノの話ばかりになっちゃったけど、アイアンマンの研究室はつまりは僕が憧れるガレージなんですね。アメリカのガレージ文化とハイテクガジェットを制作するラボとを結びつけたというのはこれは凄いアイデアだと思いました。「胸が踊っちゃう」わけです。

思うにあの研究室=ガレージはスタークの一番居心地の良い場所なのではないでしょうか。まさに男の居場所。あー僕もガレージが欲しいな〜。

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2010年6月14日 (月)

映画「クレイジー・ハート」

クレイジー・ハート」スコット・クーパー監督

6月14日、東宝の日だったので1000円で鑑賞。

今回の「クレイジー・ハート」、ジェフ・ブリッジスが演じるカントリーシンガー「バッド・ブレイク」に男惚れで、映画の感想にならなかったですわん。ほらあれですアニメのキャラクターに対して萌え〜とかいってる人と同じ感じ。

落ちぶれちゃったアル中のカントリーシンガー「バッド・ブレイク」がドサ回りの日々なのです。おんぼろワゴンを運転して町から町へ。アメリカの道はどこまでも真っ直ぐ続きます。だからトイレもないから運転中のオシッコは水のボトルの中に。ライブ会場にようやくたどり着き、車を停めると大きな水のボトルにためたオシッコを駐車場にじゃ〜〜ってまくんだよね。

そんなドサ回りの生活をバッド・ブレイクは嫌ってないように感じたよ。だって、どんなに落ちぶれていても、どんなにアル中であっても、ドサを回る町には少ないながらも彼を待っている観客がいるんです。そして、観客たちは全員、バッド・ブレイクをリスペクトしているんです。だからドサ回りの町で彼は悪い思いはしないんです。ライブは盛り上がるし、ファンの女性と一晩ベッドを共にっていう日もあったり。地方紙の記者にインタビューを受けたりさ。

ふと思った、僕はアル中映画が好だってこと。「失われた週末」も「リービング・ラスベガス」も大好きな映画です。ただ、この映画のアル中描写は上記のアル中映画とはチョット違う、いや全然違う。

バッド・ブレイクはアル中なんだけど凄くキュートでチャーミングなアル中。暴れないしね、大声出して錯乱もしないしね。人に迷惑をかけないアル中。酔い方も可愛らしいよ〜。

んでもって、僕はこの映画の前半のドサ回りのシークエンスのすべてが嬉しくて素晴らしく思えました。最後までバッド・ブレイクのドサ回りシーンだけ見ていたいな〜と思いました。後にバッド・ブレイクが上がるフェスの大きなステージのシーンよりドサ回りの小さな飲み屋でやるライブシーンをずっと見ていたいな。そんなバッド・ブレイクのドサ回りだけで構成したライブ映画が見たいと思ったな。

そんでもってさ〜バッド・ブレイクをめぐる周りの人たちはみんな彼に異常なな程に優しい。その優しさが良いのですよ。

新曲を書けとせっつくマネージャーも優しい。お世話になった兄貴分に再起してほしいと手助けをする今や大スターの弟分も優しい。ドサで回る町々の人々も優しい。地元の飲み屋のバーのマスターも優しい。

つまりバッド・ブレイクは優しに包まれながら、幸せなアル中生活を過ごしてるんだよね。

ま、映画ですから当然のようにアル中からは脱出しなきゃならない、途中で恋をします、その恋もなんとかしなきゃならない、その恋のせいで物語がどんどん発展していきやがります。映画だからしょうがない。僕は物語が進行しないで、ずっとアル中でドサ回りしてれば良いのにと思ったのでした。酷いですね〜。

やっぱり愛とか恋は怖いですね。愛とか恋は酔って気ままに生きて行こうと思う人の心を折りますね。僕もその昔「結婚」という言葉一つで生きる意味すべてが呪縛に変わったことがあるからね。ま、そんな呪縛は言葉だけでしかないのはすぐに分かるんだけど。

しかし本当に良い映画でした。こんだけ感情移入した映画は久しぶりでした。

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劇場に飾られていたジェフ・ブリッジスとT=ボーン・バーネットのサイン入りギター。

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2010年6月12日 (土)

今日の料理「そら豆のかき揚げ」

週末に時間があるときは料理をすることが多いです。
僕の料理の先生はテレビの料理番組。主に日本テレビの「キューピー3分クッキング」で、今年の4月からの分はすべてレコーダーに録画保存してあります。番組の保存タイトルが料理名になっているから、レコーダの録画一覧が料理本の目次のようになってすごく便利です。

今日は大量のそら豆を頂いたので「そら豆のかき揚げ」を作ってみました。これも3分クッキングの5月29日の放送を参考にしました。

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ほくほくしてとても美味しくできました。家族にも大好評でした。

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2010年6月 7日 (月)

映画「告白」

6月7日
告白」中島哲也監督
 事務所そばのチケットショップで鑑賞券を勝手鑑賞

タイトルが示す通り、登場人物の告白(モノローグ)によって物語が進行していく作品です。

中島哲也監督の前作「パコと魔法の絵本」は未見なのですが「下妻物語」と「嫌われ松子の一生」は見ています。だから、またあの中島監督のぶっ飛んだ映像表現の世界に浸れることを楽しみに劇場に向かいました。

その楽しみとは、つまり信じられないくらい短いカットの積み重ねで1つのシーンを紡いでいく手法や、時間軸の使い方の面白さ、そして最新のデジタル技術を使った見たこともない画面を見る楽しさです。もー、それらはバッチリというか予想以上に素晴らしくて、見れば見るほど新しい発見があるんじゃないかと思えました。

しかし、その映像はイコールとして登場人物が「告白」する何とも言えないどす黒い人の内面を表現するために使われます。だから、お昼休みはワクワクウオッチングというわけにはいかないわけです。

殺された娘の復讐をする先生、別れた母親の愛をひたすら求める少年、子供を溺愛することでしか自己の存在が確認できない母親など、スクリーンに描かれる感情はすべて歪んだ感情です。そしてそれらを上記した映像で表現されるわけですから、見ている僕なんかは、その容赦のなさに圧倒されてしまいました。

復讐するのもそこに愛があったから、息子を殺すのも愛ゆえに、他人の子供を殺してしまうのも愛されたいから、愛ってホントに厄介だな〜、愛とは恋愛だけでないんですよね。

そうそう途中にインサートされる流れる雲の映像、そしてエンディングにも提示される雲の映像。あれはなんだったんだろう。そのことを考えるのもまた映画を観る楽しみの一つだな〜なんて思ってます。

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2010年6月 5日 (土)

映画「ローラーガールズ・ダイアリー」

ローラーガールズ・ダイアリー」ドリュー・バリモア監督

6月5日 TOHOシネマズのシネマイレージカードのポイントがたまったので無料で鑑賞

ローラーガールズ・ダイアリーを見てきました。タイトルをクリックすると公式ページに飛びます。

Weezerの「ポーク・アンド・ビーンズ」をバックにローラースケートを頑張る少女という予告編を見たときから公開されるのをワクワクしながら待っていました。実際、本編ではWeezerは流れなかったけどね。

田舎町で母親の抑圧の中ぼんやりとした日常を過ごしていた17歳の少女が、ローラーゲームに出会って自我に目覚めて、紆余曲折ありながら母親とも和解して自分の進むべき道を見つける、というありがちのストーリー。でもとても楽しく見ることができました。

最近はティーンエイジャーのとくに女子の成長物語はついつい父性をもって見てしまうことが多いのだけど、この映画はまさにそれでした。

主演のエレン・ペイジがそんな父性をくすぐるルックスなんです。また、彼女の作り出す表情の多くが苦笑い中心の困った困った顔で、おまけに普段はメガネっ子。映画の見方も当然「少女よ頑張れ、負けんなよ、親の心配よりも自分の心配しろよ」になってしまうわけです。そして物語は僕の期待からまったく逸脱することなく展開していくわけですから面白くないわけがないのです。

エレン・ペイジが入るチームのメンバーが全員大人の女性だという設定がとても良かった。彼女たちがエレン・ペイジを見る目は母性に溢れていて、それは僕が見ている眼差しと同じ。見ていて心地良くてしょうがないわけですね。これ日本映画だったらこんなにオバサン達で固めないですよね。

映画を見る楽しみの一つに主人公の挫折や敗北からの復活というのがあります。この映画ではその復活の手助けをするのが父親なのです。このお父さんが凄く良くて、後で調べたら「ホーム・アローン」シリーズの間抜けな泥棒役のダニエル・スターンさんでした。

このお父さんもまた女だらけの家庭で自分の居場所があんまりない。早く帰れる日もわざと残業だと言って車の中でビールを飲みながらフットボールを見たりしている。そんなお父さんだからこそ、娘の本当の居場所がどこにあるのかを理解して、終盤に最高に格好いいアシストをします。このシークエンスが一番良かった。

というわけで見終わった後にホントに清々しい気持ちになって飲まずにいられず軽く飲んでしまいました。

あれ、ローラーゲームについて全然書かなかったぞ(汗)

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映画「クロッシング」

6月5日
クロッシング」キム・テギュン監督

北朝鮮の脱北者を描いた見ていてとても辛い映画でした。詳しいストーリーは公式サイトを参照してください。タイトル部分をクリックすると公式サイトに飛べます。

人の運命は生まれた環境で決まってしまうのでしょうか。ひどい環境で生まれた人でも才能や努力や出会った人の援助とか、それにちょっとしたラッキーが加わってそこから脱出できる、または逆に自ら脱出することを望まないで苦悩の中に生きていく、もしくは死んで行く。それがボクが今まで見てきたたくさんの映画の結末でした。先月見た「プレシャス」も、もっと前に見た「レスラー」も、それこそ泣き笑った「アンビル」だってそれに当てはまります。

でもそれが北朝鮮という国に生まれたというたった一つの理由だけで、上記のストーリーは通用しなくなります。この映画は北朝鮮に暮らす人々の今が描かれています。今現在も、今日も、この一瞬も北朝鮮の人々はこの映画で描かれたリアルな日常を生きているのです。

ボクはパンクロックが大好きです。というかレベルミュージックすべてにシンパシーを感じています(余談ですがファンキーモンキーベイビーズという人たちを去年の年末に紅白歌合戦で見てびっくりしました。あんな年代の若い人が親に反抗しないでどこからエネルギーを得るんだろうと思いました)。

付け加えるのならばボクは自分で曲を作ってそれをバンドで歌っています。自由に好きな歌詞を書いて好きなようにライブハウスで歌っています。ラブソングばかりですが、なかには日本という国のバカバカしさを歌った曲もあります。でも、それで収容所に送られたりはしませんよね。

パンクロックでも何でも良いですよ、自分の気持を自由に歌を歌うことができない国が北朝鮮なんです。北朝鮮という国では反抗することができないのです。パンクロックで反体制を歌える国は幸せな国なんですよね。

そして自分の生き方を選択することはできないのが北朝鮮です。そこから逸脱したらどうなるか、その結末がこの映画の主人公の父と子の姿です。

この映画は脱北者に取材したたくさんのエピソードを、ひとつの家族の悲劇にまとめたものです。本当に起こったことを映画にしています。信じられないですが本当に今現在も起こっていることなんです。

イデオロギーを超えてこの映画を見てほしいと思います。ぼんやり生きているボクのすぐそばで毎日こんな悲劇が起こっているんです。

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